だれのおかげで病気は治る?
下段の【治すのではなく、治る】シリーズは、読んでいただけましたか?
咳も鼻水もたんも熱も下痢も嘔吐も、からだが自分で病気を治すために必要な症状だということがお分かりいただけたでしょうか?
ほとんどの病気は、こういった症状のおかげで子ども自身の力で治っているのであり、お医者さんはおくすりを使ってその治るのを助けてあげているに過ぎません。
一昔前までは、こどもがかぜでお医者さんにかかると、10種類近くのおくすりが出されたりしたものです。
おくすりをいっぱいもらって、それらをがんばってのむと、実はほとんど自力で治ったのに、なんだかおくすりのおかげで治ったような気がしてしまうから不思議です。
しかし最近では、不要なおくすり、特にかえってデメリットの方が大きいようなおくすりはけずって、本当に必要なおくすりだけを使っていこうという動きが、わが国の医療現場でも広がりつつあります。
「えっ?今までは不要なおくすりがこどもたちに使われていたの?」と、びっくりされる方もおられるかもしれませんが、お恥ずかしいことながらそれが現実でした。
これから我々小児科医は、すばらしい医療を求める前に、まずはあたりまえの医療に戻していくことが求められていると思います。